家に帰ったら見知らぬ美形がいたんですが

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 目の潰れそうなほどの美しいかんばせを至近距離に見ながら、吐息のかかるような距離で話されてしまっては正直集中できない。  でもそんなことを指摘できる雰囲気でもないので、セーラはとりあえず話の続きに耳を傾けた。 「アーシャは言った。自分は死にゆくけれど、魂はまたこの世界に生まれ出ずると。アーシャを、理を曲げてでも生きさせようとした俺の愛は、どうかこの先、また生まれ出ずる自分を育むこの世界に向けてくれと」 「……」 「それでも俺は納得できなかった。俺の愛したアーシャは、自分の寿命を受け入れはしていたけれど、死への恐怖が無かったわけじゃなかった。俺ならアーシャを苛むすべてを取り払えるのに、アーシャのためなら世界だって壊せるのに、アーシャはそれを望まなかった。ただ、約束を置いていった。――きっと、また愛してと。何度巡り会っても、そうしたらまた愛し合えると」 (それたぶん死に際に世界とか壊しかねないことを言い始めた相手をなだめるために言ったその場しのぎのやつ-!)  セーラは戦慄したが、それを口に出さないだけの分別はあったので、またもじっと言葉の続きを待った。
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