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そうこうするうちに私も歳を取り、すでに55歳になっていた。 独身のままこの年齢まで生きてきたが別に後悔は無い。 それに寂しくもなかった。 何故なら私は、ずっといつも彼の影と一緒だったから。 だがその日は妙に朝から体調が優れず、気分も悪く、長年勤めた会社を辞めてから、新しく働きだしたパートの仕事に朝出向くのも少し億劫な気持ちだった。 今日は休もうかな… と思ったが、まだ新しく始めたばかりの仕事だし、早く仕事を覚えたかったので、そう簡単に仕事を休んだりせずちゃんと行こうと思い直し、気持ちを切り替えた。 なんとか職場に行き、その日の仕事を半分終えて、休憩時間にいつも行くお弁当屋さんまで歩いて向かった。 だがその時、急に目の前がクラクラした。 頭がぼんやりし始め、そのうち頭の中全体がジーンと痺れたみたいになり、そのうち徐々に意識が薄弱になり始めた。 どうしたんだ? と自問自答するのも束の間、 私はいつの間にか、完全に意識をなくしてしまった…。
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