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途中、ランチに一時間休憩をもらって、圭くんと用意してくれてあったお惣菜屋さんのお弁当を頂いた。
「疲れた?」
「うん、ちょっと。でも楽しいよ」
お客さんに向けていた笑顔とも違う、柔らかい笑顔が嬉しい。
「圭くん、さっきモテてたね」
「え?」
「女の子がイケメンだって、騒いでた」
「あー、ほんと? それは、有り難い」
世の中そんな稀有な人がいるのかっていう感じで、あっさり答えているけど、あなたが中学、高校からずーっとけっこうモテてるのは知ってますよ。
海斗がそばにいるせいで、派手に目立つ事はなくても、一定数の女子は圭くん派だったと思う。
「ふふふ。まぁ、良いや」
私がしょうがないかと笑うと、圭くんがとても楽しそうに笑って、急に私のほっぺたをさっと指の背で撫でた。
「陽ちゃん、かわいいな」
え?
「また、急に、そんな事を……」
脈略なしに急にびっくりするよ。
「ははは。すげえ、楽しい」
なんか、ご機嫌だ。
圭君が、かわいい。
「圭くん、もしかしてお客さんと一緒に飲みまくってる?」
「いや、お付き合いで、少しずつだけ。飲みまくってはないけど。まだ大丈夫。ははは。陽ちゃん見てたら、言いたくなるだけ」
「うう」
困った。
圭くん、酔うとこういう風なんだ。
かなり甘口。
「じゃあ、陽ちゃん、午後も頑張りますか」
「うん」
ガンバリマス!
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