1746人が本棚に入れています
本棚に追加
「陽ちゃん。どうなってるの?」
小声でそう言うと、こっそり圭くんを指差す。
高城さんからは聞いてないらしい。
「御心配かけましたけど、上手く行った感じで……」
「え? やっぱり? 良かったぁ。やっぱし、優しい人が良いよ。陽ちゃんに遊び人はダメ!」
え?
こないだ一歌さんは、圭くんはかっこいいけど、遊んでるみたいだから、別の、清水さんみたいな人が良いよって言わなかった?
「一歌さん、圭くん、遊んでるって……」
「えー!? 圭くん、そうなの?」
「えっ?? いや、一歌さんがこないだ……」
「え?」
えええ??
二人でお互いをクエスチョンマークで見つめてしまった。
「こないだ、一歌さんが、圭くんはかっこいいけど遊んでるっぽいから、別の人が良いよって言いませんでしたっけ?」
「え?違うよ。陽ちゃんが、海斗君が好きだって、言うから、止めときなって。川瀬くん、ずっと陽ちゃんの事、気にしてたみたいだったから、優しい川瀬くんのほうが良いよって」
「は? え? 気になってる人は昔、姉と付き合ってたって、言いませんでしたっけ?」
「うん。だから、海斗君じゃないの? ちょっと前にお姉さんと海斗君が夜、公園で喋ってたの見たから、てっきりあの二人なにかあるんだと……。え?なにぃ、川瀬くんなの? お姉さんの元彼って?」
そうですよぉと言おうとしたら、急に「ハイハイ、そこまでで」と圭くんが近くに来ていた。
最初のコメントを投稿しよう!