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「まぁ、そういうことらしいから、しょうがないわよね」と、母が頷いた。
「お母さん、きっと違うよ?陽はそんな事、言うけど、圭が良いんだよ。ああ、良かった。陽がその大学の先生とくっついちゃってたら、あの人、十年位引きずりそうだもん」
え?
「そんな」
「同級会のたびに、愚痴聞くのとか、嫌だ。良かった。圭、こないだ、陽が大学の先生紹介されたって言ったら、すっごい落ち込んで、べろべろになってたから」
え。
えええっー!
そうなの??
確かに、気になるって言ってくれたけど。
「やだ、そうなの? いや、お母さん、陽がこっちに帰って来てから、商店街の行事で圭君と仲良いのは知ってたけど……」
それは、私が一方的にしつこく仲良くしていただけの気がする。
「まぁ、付き合う事にしたのは、最近の事だし、いいじゃん……」と誤魔化すと、姉がクスクス楽しそうに笑って「本当に良かったねー」と、まとめると父まで「良かったな」というので、照れた。
姉は私の圭君への好意も知っていたのだろうか。
私の片想いが姉にも父にもバレていたと思うと、さらにはずかしい。
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