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あとがき
【あとがきという名の大きな独り言】
人を好きになると、楽しいこともあるけど、思い通りにいかないことの方が多くてもどかしいですよね。言いたいことは上手く言えずに、どうでもいいことばかり喋ってしまったり。
実はこの『片想い』という作品、私の体験をもとにしています。主人公は私ではないですが、主人公の友達は私自身をモデルにしています。そして、友達が恋しているまさはるくんと言う男の子は、昔、私が好きだった人を参考にしました。
私も、「一緒にアイスクリームを食べに行こう」という言葉を、言えなかった日がありました。去年の夏です。アイスを食べるような短い時間だけど、もうちょっとだけ一緒にいたかったのに。 (正確には、私の場合は、その後彼は用事があったらしいので、誘えていたとしても一緒にいることはできませんでしたが……) 手を振ってお別れして、一人とぼとぼ歩きだして、ため息をついたり。あの頃は必死でしたねー。
でも、彼と別れて一人帰っているときに、この小説のストーリーを思いついたのです。ビビッと、頭に衝撃が走った様な感じで、すぐに「書かなきゃ」と思い立ち、文章にしはじめました。小説はその日のうちに完成しました。
できあがった小説、『片想い』を読み返して、「私、こんな文章書けるんだ! めっちゃいい話書けたぞ!」と、自画自賛。そして、すぐに友人に読んでもらいました。友人も、この話をとても気に入ってくれました。小説を読み終わった後、友人が「ツヅリちゃんのアイス一個分の時間、私がもらうぜ!」と言ってくれて、一緒にアイスを食べたのも良い思い出です。
ちょっと切ない思い出から、小説が生まれ、さらに今度は楽しい思い出に変わる……。物語が持つ力、そして、物語を作ることの素晴らしさを、改めて感じました。
――ですが。
結局、私の恋は実りませんでした!
私が好きになった人は、まっすぐで、頑張り屋さんで、自分の夢や目標がはっきりしている人でした。私は彼のそんなところに惹かれたのですが、彼の目指す場所に、どうやら私は必要がなかったみたいです。そして私も、彼のやりたいことや大切にしたいものを邪魔したくはありませんでした。だから、「これからも友達でいてね」という彼の言葉通り、今でも、良い友達として応援しています。とはいえ、正直、数か月ずっとめそめそしていましたけど……。
でも。
恋は失ってしまいましたが、その恋によって得られたものは失いません。この作品も、人を好きになったから生まれたもので、それだけで私の中では意味があることです。
今、誰か大切な人がいる人。その想いが報われなくても、人を好きになることそれだけで素晴らしいことだと、自信を持ってください。その気持ちは、文章にすれば立派なラブストーリーだし、そっと心の中に取っておくだけでも、いつかあなたの人生を支えます。
そして、きっと、あなたも誰かの想い人です。あなたの良さを知っている人は、必ず側にいますよ。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
この小説を読んでくれた皆さんに、幸あれ!
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