告白

1/1
前へ
/3ページ
次へ

告白

(社交辞令かもしれない、、) という私の不安をよそに、彼は日をおかずに次の約束の連絡をくれた。 2回目、3回目もカフェやレストランで、私は彼の前で自分の話をたくさんして、彼はにこにこと楽しそうに聞いてくれた。 (すごく良い人だな。一緒にいて楽しいし心地良いな。) 私の彼に対する信頼感は徐々に増していった。 3回目のデートの帰り、いつものように車で送ってくれた彼は言ってくれた。 「好きです。付き合ってくれませんか」 彼からの告白はとても嬉しかった。 会うようになって1か月足らずだったが、彼は信頼できる人だということは十分伝わっていた。 けれど、私は彼の告白に即答できずにいた。 (最初は物珍しいだけで、すぐに飽きられてふられてしまうんじゃないか) そんな不安を抱えていた。 過去の数少ない恋愛経験。 20歳を超えて初めて付き合った彼には3か月足らずで「話が合わないし、なんか違う。」と別れを告げられた。 次に付き合った彼は別れを告げたのは私だったが、付き合っている間も、彼は自分のことをそんなに好きではなく、仕方なく妥協して付き合っているんだということが彼の言動から感じられた。 二人とも始めは「すごく好きだ」と言ってくれ、楽しそうにしてくれていた。 始めの方だけだった。 昔から「変わっている」と言われ、同世代の友人と話が合わないことも多かった私。 秀でるものがあるわけでもなく、自分に自信がなかった。 そんな自信の無さを抱えていた私がした彼に対する返事 「友達からお願いして良いですか。」 彼は残念そうに「そうか。。完全にふられなかっただけマシかな」 と言っていた。 あなたが嫌いなわけではなく、これからも会いたいということを伝えたく、 「本当に楽しかったし、次もまた会いたいと思っている」と慌てて言葉を重ねる私に彼は「うん。また遊ぼうね。」と言ってくれた。 私の返事に彼が少し悲しそうな顔をしたこと。そんな顔にさせてしまったことが申し訳なかった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加