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日奈子と琴美
「何してんの?」
「見て分からなかったら、聞いても分からないよ」
「やかましいボケ!説明しろ」
やれやれ、と表情で示して日奈子は語り始めた。
「宇宙からパワーを頂いているの」
「・・・私帰るね」
「待ったーーー!琴美よ!今帰ったら後悔するぞ!」
「いや・・・ここに来た時点で後悔してるから」
正木琴美は南日奈子の奇行に付き合うただ一人の親友だ。
「私はいつも、悩んでいた・・・私に何が足りないのかと」
「常識じゃない?」
「違う!宇宙からのパワーだったんだよ」
そう言いながら、日奈子はポーズを一度も解除していない。
「で、そのポーズなんだ?」
「うん、両手をまっすぐ前に伸ばして右腕は掌を上に、左腕は掌を下にするの」
「はいはい」
「腰をしっかり落として、両足は相撲でいうところの四股を踏む感じね」
「ほいほーい」
「どうよ?宇宙からパワーもらえそうでしょ?」
「一言いい?」
「何?」
「服着ろボケーーー!」
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