熱気 2

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よく考えたら、意識のないやつを抱くのってダメだろ? でもそれに怒りを覚えないのは、やっぱりオレは一成が好きだからなんだろう。 そう言えば初めての時も、意識を失ったオレを抱いてたっけ。その時も怒りなんて少しも湧かなかった。 ・・・なんだ。 やっぱり初めから好きだったんだ。 変に悩んで損した。 まだ戻りきらない意識の中でそんなことを考えていると、一成が僅かに身体を硬直させて息を詰める。その一成のイクときの顔にオレもきゅんとなって身体が強ばる。 何回イカされたのか。身体が極まったまま快感が抜けない。そんなオレから一成が腰を引くと、中から一緒に一成の放ったものが出てくる。 あのままずっと付けなかったんだ・・・。 そう言えばお腹が張ったような感じがする。 これ・・・全部出すの大変そう・・・。 ぼやけた頭でそんなことを考えていると、そのまま抜かれると思った一成のものが再びオレの中に押し戻ってくる。 ? ゆっくりと腰を進め奥まで来ると、またゆっくりと抜かれていく。そしてまた、挿入って来て・・・。 その動きがだんだん早くなり、ボケた頭が一気にはっきりする。 「な、なりっ」 まだやるつもり?! 一成が腰を引く度に中の物が溢れ出し、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響き渡る。 「ゆずくんのここ、ちっとも緩くならないんだもの。ずっとぎゅうぎゅう僕を締め付けて、出ていかせないようにしてる」 言うな、そんなことっ。 オレは知らない。 まるでオレのせいだと言わんばかりの一成の言葉に文句を言いたいのに、オレの口からは喘ぎしか出てこない。 それでも早く終わらそうと思ってくれたのか、ひたすら激しい抽挿を繰り返していた一成がやっと果て、オレもイクとようやく一成は自身を引き抜いた。 「ゆずくんのここ、まだ欲しがってるのに・・・」 そう言って名残惜しそうにそこに指を入れるから、オレはそんな一成にケリを入れる。もちろん弱く。 「やめろ。今日何曜日だと思ってるんだ」 明日は学校があるんだぞっ。 既に完全に動けなくなってるオレはベッドに沈んだまま一成を睨みつける。するとしゅんとなった一成は下着も付けずそのまま部屋を出て行った。お風呂の用意をしに行ったのだ。 夏休み中ずっとやってたので、一成はうちの事をよく知っている。お風呂の入れ方も、バスタオルのある場所も、洗濯機の使い方も。 一成はおそらくオレを湯船につけたあと、汚れたシーツを洗濯するだろう。それでとりあえず乾燥までのコースにかけるけど、きっと間に合わないだろうから最後はアイロンで仕上げてベッドメイクして、帰るんだ。 シーツの洗濯は汚してしまった時だけだけど、ことのあとのお風呂は毎回のこと。本当はオレがその辺の支度はしなくてはならないのだろうけど、大抵一成に抱き潰されているオレはベッドから動けないことが多い。 だけどここまで抱き潰されたのは、初めての日以来かも・・・。 明日学校行けるだろうか。 いや、その前に帰ってきた親になんて言おう。 「ゆずくん、お風呂出来たよ」 親への言い訳を考えていたら一成が戻ってきて、当然のようにシーツごとオレを抱え上げると危なげなくそのまま階段を降りてバスルームへと向かう。 一成は背はオレより低いけど、筋肉はオレよりも付いている。着痩せするのか服の上からは全く見えないけれど、脱ぐとそれなりにしっかり付いているのだ。 最初はなんでオレが下なのかと不満に思ったけれど、こうして一成をよく知るようになると、とてもオレでは無理なことを実感する。 筋肉もそうだけど体力も敵わないし、何より性欲がもう段違いに違う。この一成を満足させるなんてとてもオレには無理だ。 たとえ筋トレして体力を付けたとしても、筋肉が付きにくいこの身体ではたかが知れているし、言っちゃなんだが人並みの性欲しか持ち合わせていないオレは絶対に一成を満足させることなんて出来ないだろう・・・なんて思ってるそばから尻に固いものが当たる。
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