熱気 2

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「ゆ、ゆずくん?」 今日は用があるから会えないって言ったのに急に呼び出して、いきなり抱きつくオレに一成が戸惑いの声を上げる。 「会いたかった」 そう言ってぎゅっと抱きしめると、一成の身体がビクッと震える。 「すごくなりに会いたくなったんだ」 そう言って一成の顔を見て気がついた。今まで下に向いていた視線は真っ直ぐに前を向いている。 あれ? 一成、背が伸びた? そう思った瞬間、オレは一成にぎゅっと抱きしめられた。 「ゆずくん、僕も会いたかった」 そしてさらに腕に力を込められ、オレの背骨がぽきっと音立てる。でもそんなことよりも密着した身体から立ち上る一成の匂いに、オレの身体は熱くなって・・・。 「なり・・・部屋行こう」 オレの首元に顔を埋めている一成の耳元でそう囁くと、一成が顔を上げる。その目元は赤く染まり、目が潤んでいる。 ぞくぞくする。 それは決して和哉に感じた悪寒ではない。身体が熱くなり、その熱は下肢へと集中する。 「なり・・・」 キスしたい。 その言葉が出る前に一成はオレと唇を合わせ、舌を絡める。 ぐちゅぐちゅと音を立てながら口の中を這う一成の舌が気持ちいい。そして流し込まれる唾液と絶妙なタイミングで絡まる舌に腰が砕け、立っていられなくなるとそんなオレの腰をがっしり支え、一成が力強くオレを抱えあげる。 「ゆずくん、かわいい」 そう言うとそのままオレを抱えたまま2階のオレの部屋へと向かう。 「今日ご両親は?」 オレをベッドに下ろし、服を脱がせながらそう訊く一成に手伝いながらオレは首を横に振る。 「いない。帰りも遅い・・・っ」 顕になった胸を吸われ、声が跳ねる。 胸なんて感じなかったのに、すっかり一成に教えられてしまった。 まるで赤ん坊のように乳首を吸われ甘噛みされると、それだけで身体が甘く痺れてくる。そしてその甘美な痺れは下肢を直撃し、オレの腰が無意識に浮いてくる。 「ゆずくん気持ちいい?ここだけでイっちゃいそうだね」 じゅるじゅると音を立てながらそこを吸い上げ、一成が嬉しそうに言う。その余裕な感じに少しイラつき、オレは一成の肩に手をかけてぐるりと体制を入れ替えた。 オレだって一成くらい退ける力はあるんだよ。 そう思いながら仰向けに転がされた一成の上に馬乗りになり、オレは一成のベルトを緩めて既に勃ち上がったものを取り出す。そしてそれを手で持ち膝立ちをすると、それを後孔へとあてがった。 「ゆ、ゆずくん?」 突然の行動に焦る一成を見下ろしながら、オレは腰を一気に落とし、一成のものを奥深くへと突き挿れる。 昨日したばかりのそこはまだ柔らかいけれど、それでも解さなかったために鈍い痛みが身体を突き抜ける。けれどそんなことはお構い無しに腰を落とし、オレは一成のものを全てを飲み込んだ。 「・・・くっ・・・ぅ」 痛さに身体が震える。けれど自分の重みでいつもより深くまで挿入ってきた一成の昂りが奥に当たり、お腹の中がきゅんとする。 「ゆずくん・・・すごい・・・中うねって・・・」 眉間に皺を寄せて苦しげに言う一成のその顔に、オレはぞくぞくする。 なりって、こんな顔するんだ・・・。 何度もしてるのに、オレは一成のこんな顔を見たことは無かった。というのもいつもオレは一成にされるがままで、いわゆる『まぐろ』状態だからだ。気がつくとキスをされ、頭を溶かされてるうちにあれやこれやと気持ちよくされて、いつの間にか事が終わっている。 いつもしてもらってばっかりで、一成を見る余裕もなくイカされる。オレからキスしたことも、一成のモノを触ったことすらない。ましてや舐めたことなんて・・・。 一成はいつも前戯に時間を惜しまない。 何十分もかけてオレの身体を高ぶらせ、あそこを解し、それからゆっくり挿入ってくる。
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