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「んー?機嫌悪い?」
顔を覗き込むと、哀しい目をしていて。
「…親がいないから。家族がいないから、そう思ってんのか?」
「え?」
「お前を心配するやつはいない、って本気で思ってんのか、って聞いてんだよ!」
突然の大声に驚いて、反応が遅れた。
他の客がチラチラ迷惑げにこちらを見ている。
「俺は、腐れ縁だから毎回呑みに付き合ってるわけじゃない。誰がどうでも良いやつの電話に出るかよ!しかも、仕事終わりに待ち合わせまでして!……少しは、自分を大切にしてくれよ!」
クソっ!!
机に何かを叩き付けると、足音を立てて出て行ってしまった。
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