テロップが落ちて来る

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いつも温厚なモズの豹変に驚き動けない。 『何がモズの気に触ったんだろう?』 不安げな色のテロップは、戸惑いと共に落ちて行く。 形だけ周りの視線に謝り、モズの叩きつけた物を見た。 可愛い小袋と、何かの端くれ。 楓へ、と書かれた小袋を開けると、シンプルなピアスだった。 私が仕事に付けて行けるような、でも持っていない種類。腐れ縁ならではだろうか。 でも、何でピアス? 『何で?』 テロップが落ちて行く。 疑問に思いながら、端くれを広げる。 シワシワになったそれは、私がサッと払ってモズの手元に溜まったテロップで。 「…え?」 モズに私のテロップが見えて触れることにも驚いた。 けど、 『す』 『き』 『だ』 シワシワになったテロップは思いがけない告白だった。
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