0人が本棚に入れています
本棚に追加
いつも温厚なモズの豹変に驚き動けない。
『何がモズの気に触ったんだろう?』
不安げな色のテロップは、戸惑いと共に落ちて行く。
形だけ周りの視線に謝り、モズの叩きつけた物を見た。
可愛い小袋と、何かの端くれ。
楓へ、と書かれた小袋を開けると、シンプルなピアスだった。
私が仕事に付けて行けるような、でも持っていない種類。腐れ縁ならではだろうか。
でも、何でピアス?
『何で?』
テロップが落ちて行く。
疑問に思いながら、端くれを広げる。
シワシワになったそれは、私がサッと払ってモズの手元に溜まったテロップで。
「…え?」
モズに私のテロップが見えて触れることにも驚いた。
けど、
『す』
『き』
『だ』
シワシワになったテロップは思いがけない告白だった。
最初のコメントを投稿しよう!