私は学校に潜む幽霊

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「きっれいー」 1階で誰かが言ったのを3階にいるのに反応してしまう言葉 誰が綺麗なのさ? 加賀志乃か 化学の先生 女子生徒に絶大に人気がある メイクに詳しい 教師ながら攻めたメイク 鬼ヤンマに生徒以上に注意される けど気にしない 綺麗で強い女性像 化粧品開発関連で働くか迷った挙句に教師になったんだって 休み時間や放課後、彼女の周りにはいつも女子が群がっている 「生徒に化粧の事あまり教えないで下さい、学校では禁止なんですから」 他の女教師に妬まれる 「化学の事を教えているんですよ」 ってかわす 「そうだそうだ」 と女子生徒らは叫ぶ 叫ぶだけじゃなく、化学の成績が上がっていくんだから追撃はされない 出来過ぎじゃない? 「学校で誰が1番綺麗?」 「そんなの言えないよ」 「お願いーーー!」 「じゃあね、化粧をしたらすっごく綺麗になるんだろうなって思うのはD組の夏美ちゃんと2年生の真純ちゃんかな」 「あああ、やっぱり夏美かー。2年の真純って誰だろう気になるー探しに行こうか」 「こらこら、やめなさい」 気に食わなかったあの頃 私が化粧に一生懸命だった事を志乃は知ってたのに 志乃に名指しで言われた子はもてはやさせる 1度も私の名前は出なかった 廊下ですれ違う時の私に向けた笑みが嫌いだった 邪魔くさい教師だった 化けてやろうか
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