私は学校に潜む幽霊

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「ピッチが乱れてたね」 「うん。めずらしいよね。部長が注意しても上の空」 「な〜んか、あったね。イケメン彼氏と喧嘩?」 「ありえる〜〜」 「完全支配されてるっぽいからね」 「意外よね、依存体質」 「わっかんないよね〜」 「可愛いんだから自信持てばいいのに」 「ね〜〜。私だったら強気だけどな」 「繊細なのよ、あんたにはわかんないって」 「言えてる〜〜、音もそう」 「芸術肌、教師ってよりは違うよね」 そうか そうか 街で会ったわね 素敵な彼氏 教師として? 大人の余裕の振る舞い? だったのかしら 快く彼氏さんを紹介してくれて挨拶したね その後、彼氏さんとは街で何度か通りすがって挨拶したわ 大事な大事な彼氏さん 他意はなかったんじゃない 「あの子、有美ちゃんって高校生離れしているね」 「え?」 「ほら、街で会った教え子」 「有美?ああ、うん。どうして?」 「たまにすれ違う」 「そうなの?」 「大人っぽい雰囲気あるね」 吹奏楽部の子らは あんたの感性が変わったって言ってた 春爛漫から 不安定な光と影 どちらも芸術的だそうよ 彼の本当の好みは綺麗系 でも あんたと繋がり関係になった それでいいじゃない 好みと恋愛関係は違うんじゃないの? 知らないけど けど あんたは割り切れなかった 大人が子供に 敵視 廊下、音楽室、学校全体 あんたと私の不協和音 下手糞な作り笑顔の意味がわからなかったわ 死ぬまでは
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