私は学校に潜む幽霊

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「どんなかんじだった?」 「結構ヤバイよ」 「死んでんじゃん?」 「別にいいでしょう。自業自得」 「じゃあ、お願いね。もし私にサツ来たら擁護してね」 「はいはい。そっちは大丈夫。ありがと」 典子と私の彼の友達らは地元一緒の同世代 繋がりがあったことは知らなかった 典子の心情、勘違いの恨み節を聞いて、私の事を邪険に扱うようになった 手を出していない、飲酒だけ、彼と彼らの親の力と典子の証言、典子の証拠隠蔽作業で彼らは不起訴 自主的に酒を浴びるだけ浴びる 日頃から酒を飲む学生と言われた 死んだ私に典子はざまあみろと言った 疑心暗鬼な亮介はたまらず音楽室の清掃をする典子に問いただした 「え?じゃあどうして通報しなかったんですか?」 「笑ってた?私が?屋上からそう見えただけじゃないですか?ひどい人ですね」 通報をいれた典子が正義、亮介は見つけていた事を公表されて行動を移さなかった卑劣な男と評価が下がった。その評価が当時の彼女にも伝わり、信頼を失い別れる原因となった。 どんな主張も通ることはなくなった。 反発で、典子の作り話は支持を得られて、私は不良学生で飲酒癖があったとでっち上げられ、皆の記憶から消えていった。 加瀬も多田野も多数派に乗っかり、亮介の行動力の無さを非難した。 次第に亮介は私を恨むようになり、死んだ私の代わりに夏美への対応が悪くなった。疑うようになった。 集団的心理に襲われた新前教師は2度と自分の信念を持つ事を無くす。 校長も彼の息子を通して私らの関係を知っていた。典子とも通通だったとか。 あの晩に彼が来なかったのは意図的だったのかもしれない 可愛い学生服の世間へのアピールは成功済み。 あとは彼女ヅラで面倒な私の処理。 お姉様方らは密かに御曹司の彼を狙っているんだよね。 大人全員が敵だったのかしら 違うの 意外だったの 加賀志乃はクールに立ち回り、他の教師らの虚言に惑わされる事なく、私という人間を解析し、不良ではなかったという信念を貫いた。職員室が別なのも彼女には都合が良かった。私の背伸びした性格は真っ当で、女子は遅かれ早かれ化粧に興味を持ち、年上男性に惹かれるのは当然でしょうとばかりに言ってくれいた。何より死を歓迎するようなムードが変だと加えつけ、典子を拒絶した。 鬼ヤンマも亡くなった私を擁護してくれた。同い年の娘が私と同じ境遇でいるらしく、気が気でなかったのだ。化粧に芽生え、大学生の彼と付き合うことも反対したかったが、いい感じに成長しているのを確認できて考え方を改めたとのこと。そんな中で、私の飲酒事故での放置、凍傷も患っての心臓停止は衝撃的。我が娘を亡くしたくらいに悲しみ、鬼の目にも涙だったそう。 ごめんなさい 敵だと思ってた人が味方してくれていたんだよね 適度な距離を保ってくれていたの 言われたくない年頃を理解してくれていたんだね 性に合わないの これ以上、悪さはしたくはない けど グヘッ いやっ やめろ グヘッ 夏美 を探すのじゃなかった  ざんねん  だった グヘッ わたしの存在は 他にある グヘッ グヘッ グヘッ へっへっへっへっへ〜〜〜 おまえは もうきづいているようだな 絶叫の音を奏でようじゃないか
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