私は学校に潜む幽霊

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「さあ、やりましょ…」 疑いを持つことがなかったのは当たり前 真面目な部員の切なる願い 典子は無意識の贔屓を生徒に感じ取られていた事を恥じ、改心して やる気の生徒に向き合うつもりでやってきた 熱量は一気に悪寒に変わった 慣れ親しんだ音楽室、自分の牙城が寒い 部活終わりの部屋は運動部と同じくらいに汗臭と熱気が込められているはず 感性が全ての典子は早々と恐れをなした いい すごく いい 顔がこわばり 小刻みに震える身体 最高のリアクションじゃん 閉めたはずのない引き戸はガッチリとしまって開かないのよーだ 噂を撒き散らした張本人は私が死んだあの日にいた同僚教師らが霊を見たと言って普段の生活に支障をきたし、次は自分だと自覚してたんだよね お利口さん 典子、研ぎ澄まされた感性は正しいのよ 感性が大事と公言していたあんた そんなんだから超常現象もなまじっか無視出来ない性格なんでしょ ガクガク震える日に終止符を打ってあげる お肌の調子も悪いんじゃない 「出てきなさいよ!あんたが悪いんだ」 ほー そうきたか 幽霊 有美さん お呼びですよーー はーーーーい グヘヘへへへへへへへへへ
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