私は学校に潜む幽霊

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「岸本 有美」 生きていた頃に呼ばれていた名前。 17年4ヶ月と11日の生涯を全うした。 親と親友の夏美の忠告を無視して暴走気味な17歳を駆け巡り、泥沼にはまった。いけない事をやるのが勇気と勘違いしていた。 体も心もボロボロになって人生終了。 私の死後、大嫌いな親が号泣し、家庭崩壊していくのを見て初めて申し訳ないなと思えた。 大好きだった夏美。 「有美と夏美」のコンビは痛快。控えめで色白な美と輝かしく溌剌な美は対極でクラスでも人気はあった。 無いものねだりをする年頃だったから。と死後、私が夏美に嫉妬していたんじゃないかって勝手に理由づけされていた。 そう、夏美はすごかった。部活もやって、肌も髪もやけちゃっているのに綺麗で人を寄せ付ける。 私は日焼けしないようにとか、化粧がどうのとかって早熟に大人の女性の悩みを抱えて美を維持するのに必死だった。 「有美と夏美」ブランドを意識しすぎた‥。 そうだったのかな。 夏美が部活していると暇で、遊び友達選びに悩んだ。お姉ちゃんの彼氏の友達たちと遊んだ。16の私が25歳の男と一緒にいる。クラブで顔が利くこの男との出会いは死への6ヶ月特急列車に乗ったということ。 夏美は悪くない。 それを伝えたくて学校に来るんだけどいないんだ。 どうしてかな、顔がうまく思い出せないの。
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