女教師のように

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 そして…西陽の当たる部屋で、姿勢良く背筋を伸ばし椅子に腰掛け、少し低めの落ち着いた声で朗読してほしい。 「朗読?」 「そうだよ。きみのその声で官能文学を朗読して欲しい。どうかな」  その少々変わったリクエストを吟味する。 「ガーターストッキングとか着けなくてもいいの?」 「いらない。薄手の普通のストッキングで構わない」 「ふうん」  髪をまとめたりメガネをかけるのは簡単だ。黒ぶちのデザインは持っていないが無ければきっと彼が調達するだろう。  シンプルな白のブラウスもある。タイトスカートも黒のエナメルハイヒールもある。  女教師のような、とわざわざ付けるのだからストイックなイメージに違いない。下着のデザインについて指定はないけれど、それっぽいものをチョイスすればいい。  そうね。リクエストに応えるのも悪くない。
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