蒼鬼と清浄の姫

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 そもそも、笑うという感情を鬼が持っていたことに驚きだ。 「あー。久々に笑った。適当に追い返してやろうかと思ったが、いいぞ。お前らの言うことを聞いてやるよ」  しかも、これらの一連の出来事を、鬼は気に入ったらしい。首を振って長い前髪を退けると、真っすぐな目でこちらを見た。  それは鬼と呼ぶには相応しくない、澄んだ目だった。
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