1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

「いくら世の中に無頓着な徹でも、今日がなんの日か知ってるよね?」  俺がいつ世の中に無頓着なキャラになったのかはさておき、今日がなんの日かは当然知っている。 「今日?バレンタインデーだよ」 「そ、そうよ。はい、これ」  彩は大きく『義理』と書かれたチョコを出した。 「ぎ、義理チョコよ、あたしがあんたにどんな義理が有るのかはよくわからないけど、これは義理よ」  そこまで義理を強調されたら受け取りたくない。 「義理?じゃあ、いらないや」  彩の目がキラーンと光った。 「良かった。予想通りよ。徹はきっとそう言うと思ったわ、だからあんたは泥棒なのよ」  いらないと言ったら、なんで泥棒になるんだよ。  彩は俺の胸元にチョコを押し付けて叫んだ。 「もってけ泥棒!」  ーーーーーおしまいーーーーー
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!