光の中へ

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      *** 「亜実、明日もバイトあるの?」  その日の午後、大学の講義室で友人が声を掛けて来た。 「うん、あるよ。明日は休講日だから、ゆっくり寝るんだ」 「そんな事言わずにさあ、遅い時間でいいから、また行かない? コニーランド。新しいアトラクション出来たみたいなの」  2カ月前に行ったテーマパークに、再び誘われた。少し考えてから、「いいよ」と答える。  もしかしたら、あの時見たショーを、またやってるかもしれない。  淡い期待が膨らんだ。       ***    翌日の早朝は、いつもより更に早く目覚めてしまい、そこから眠れなかったので、遊びに行く準備まで完璧にすませてからバイトに向かった。  外はやはり真っ暗で、昨日よりも少しだけ寒い。自分の苦手な季節に移行しつつある秋口の早朝はたいていいつもテンション低めなのに、今日は違った。たかがファミリー向けのテーマパークに行くというだけで、何が待ってるわけでもないのに、やけに気持ちが弾んだ。  いつもの様にコンビニの入り口から入り、品出しをしていたベテラン男性店員の杉本さんに、「お疲れ様です」とあいさつする。三沢君はフライヤーの仕込みをしているのか、姿が見えなかった。  出勤登録をして更衣室で着替え、引継ぎをするため三沢君を探す。フライヤーの周辺にはいなかったので、そのままレジ横から店内に入ると、カウンターの近くに、少し背を丸めるようにして三沢君が立っていた。横顔はいつもよりも更に青白く、生気がない。
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