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「どうぞ」  ソファーに座ると生ハムやチーズ、ナッツの並んだ皿が目の前のテーブルに置かれて、グラスを渡される。  グラスに注がれる淡いピンクの液体を見つめていると、立川さんは素早くもう一つのグラスにも注いでこっちを見た。 「これ、桜のワインらしいですよ!ほら、花びらも入ってるんです!」  言われてよく見ると確かに薄い花びらがふわりと舞っている。 「綺麗ですねぇ」 「甘口で飲みやすいものにしたんで……ね?乾杯しましょう?」  立川さんがグラスを掲げるのを見て、僕も同じ高さにそれを持ち上げた。 「拓翔くん、入園おめでとうございます!」  微笑まれてドキドキしながら淡いピンク色のワインを口にするのを見て、僕もグラスに口をつける。 「あ、おいしい……」  思わず呟くと、立川さんはグラスを置いて皿を手にした。 「よかった!でも、花咲さんは弱いですからね!何か食べますよね?」  チーズを手にすると、立川さんも笑って生ハムを口に入れる。 「まぁ、酔っぱらってまた大胆になって下さるなら大歓迎ですけど!」  笑われて僕は恥ずかしさから手の中にあるワインを一気に飲み干した。  はぁっと息を吐き出すと、ふわふわと頭に靄がかかって気持ちよくなってくるのを感じる。  理性も常識も忍耐も……色々なものが一気にどうでもよくなってきた。  目の前に居る少し驚いたような立川さんに手を伸ばして笑いかける。 「ふふ……カッコいい……」  呟いてその頬を撫でると、立川さんに腕を引かれてその胸の中に閉じ込められた。
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