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あとがき
みなさま、二十五話もある小説にお付き合いくださり、本当にありがとうございます。
今回、連載開始からスタンプやコメントをいただけて、励みになりました。
カメラのエルにみなさまが思った以上に同情的だったのが意外で、嬉しく思いました。想像力があまりなくて、ハッピーエンドにする方法が思いつかず、微妙なエンディングとなってしまいました。
初めに、小説を書くために検索して知った二つばかりのウンチクを。
以下は、素人がネットで調べたレベルの知識なので、ご注意ください。
温度計と体温計は、別物らしいです。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」略して「薬機法」と呼ばれる法律があります。
体温計はこの「薬機法」で定められる医療機器のため、適当に作った温度計を勝手に「体温計」として売ることはできません。非接触体温計は、厚生労働省の認証が必要です。
非接触「体温計」も非接触「温度計」も、仕組みに大きな差はないようですが、医療機器として厚労省が認証しているかどうかがポイントです。
モニター付きのサーマルカメラのほとんどが「温度計」のようです。なので今回、「体温」「検温」といった単語は使わないように気をつけました。
「検温」も辞書的定義だと「体温を測ること」らしいので、「温度測定」としておきました。
もう一つのウンチク。社内の監視カメラ設置は法的に問題ない、らしいです。更衣室やトイレといったプライバシー空間はダメですが、お仕事スペースはよいとのこと。
経産省にガイドラインがあるようです。
カメラの存在を明らかにし従業員の同意を取って社内規定を作り、カメラの管理者を明確にしデータの取り扱いを明確にする必要がある、とのことです。
この小説のように、パソコンの挙動を記録するため設置したカメラの映像を、社員のセクハラ懲罰に使うのは……実際はNGかもしれません。
私は医療も法律も何も知らないド素人なので、このあたりはご確認をお願いします。
次は、自己満足な話です。
この小説には、私が初めて投稿した長編『君を待つ宇宙 アラサー乙女、年下理系男子に溺れる』に出てきた地名・大学・社名が登場します。
重要人物(というか真のヒロイン?)巻田聖良の出身大学を考えるのが面倒になり、『君を待つ宇宙』の舞台となった大学にしました。ついでにいろいろ合わせて、シリーズというほどではありませんが、同じ世界の物語としました。
まったく別の話です。三十万字超と長く、タイトルから予想されるとおり成人限定です。
ただ今回の小説と違い、ハッピーエンドの恋愛物なので、気が向いたらお立ち寄りください。
以上、露骨な宣伝でした。
この話は、会社帰り、今どきのビルによくある光景を見て、思いつきました。
静まり返った夜、人気のないオフィスロビーに、アルコール消毒のスタンドと共に、注意書きの看板が三つほど並んでいます。私は、トイストーリーみたいに、みんなが仲良さそうにお話している気がしたのです。
残念なことに私には彼らの会話が聞こなかったので、カメラがおじさんに恋する話を書くことにしました。
通常、私は話を思いついても、何か月も、下手すると何年も放置します。が、この話はすぐ書かないと、賞味期限が切れてしまうネタです。スローペースの私にしては速く書いた方です。
八月終りに思いつき、二週間ほどで書き上げ、修正しつつアップしました。
次回は、しばらく中断していた連作短編小説を再開させ、完結させるつもりです。
脱力系のなんちゃってファンタジーで、今回とは大分違います。涙スタンプの出番は少ないと思います。
よろしかったら、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。
2022年10月 さんかく ひかる
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