23人が本棚に入れています
本棚に追加
5
アパートの外国人、朴さんとソムチャイさんも大和と遊んでくれるようになり、三才の誕生日には家に招くくらい親しくなっていた。
そんなある日のことだった。私が洗濯物を畳んでいると、半分に切って凍らせた滅多に買わないバナナを食べた大和が、手を洗って手伝いに来てくれた。
「おやつ食べないの?」
大和はコクりと頷いた。大和はおやつのカゴに入ったお菓子を、毎日決めた数だけ食べる子だった。
「バナナはおやつじゃないから、お菓子も食べていいんだよ?」
大和は首を横に振った。
「どうしたの? お腹痛い?」
洗濯物を丸めるように畳む大和は、言いにくそうに口を開いた。
「お菓子なくなったら。ママがお仕事なの……」
最初のコメントを投稿しよう!