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森を飛びだし、立ち尽くしていたが。優那はそのまま学校への道を、歩き出した。家に帰ったら、母を不安にさせるだけ。父を困らせるだけ。それなら、登校したことを悟られず学校のトイレにでも隠れていればいいんだ。そう思った。
(キツネさんとは、これでさよならだね。)
怒鳴り散らして、嫌われてしまっただろう。そう思うが、これでよかったのかもしれないとも思った。きっとこのわけのわからない感情を抱き続けたら、自分は人間で居られなくなる。
(いつも笑わせてくれて、面白いことを話すあなたに、心惹かれてたなんて。)
おかしいよね。そう思い、学校へ一人で静かに向かう。
キツネはただ、森の中で佇んでいた。
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