おきつね・エンカウント

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  何もかも変わってしまった──長い休みと共に。優那の知らないところで、気づかないところで、確実に日々は変化を遂げていたし、生徒たちも彼らの中で絆を作って“省いて楽しめる存在”というものへ、優那をターゲットにしていたのだ。  一週間は、頑張って通った。きっと通い続ければ、またみんな普通に接してくれると、信じて。けれど、何も変わる気配などなく、教科書に落書きをされたり、トイレの個室で水を上からかけられたり、体育着をゴミ箱に捨てられたり。無論、省かれたり、陰口をたたかれた。   『休んでばっかの、卑怯者』    ──直に聞いたとき、優那は「もう駄目だ」と思った。耐えられなかった。  その通り、今日はもう学校へ通えず、登校したふりをして家の傍にあるこの森へやってきたのだ。
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