きもち、攫われそうになる

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 うなぎ好きには、当たり前のことやからな。はは、と、やはり深いことは言わないキツネに優那は惚けていたが。あなたならやっぱりなんでも知ってるね。頷き、最後まで取っておいたプチトマトを口に放り込んでもぐもぐ食べた後、お茶を口にする。それを見たキツネは、おれも川行って、水飲んでくる、と立ちあがる。   「お茶でいいなら、あるよ」 「アカンて。キツネは動物やで。衛生的やない」   「菌、伝染してもうたら、話せなくなるやろ~」。キツネは4本足でとすとすと森の奥にある川へ向かって歩いて行った。優那はそれを見送り、くすくす笑っていたが、そのときに携帯が鳴る。いつもは電源を切っていたけれど、忘れていた。消さないと、と思うついでに、メールを開くと、そこには学校通信のメールが入っていた。何かあったのかな。メールを開くと、そこには。   〝行方不明男子生徒の捜索を警察に依頼し、開始しました〟  と、あった。
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