第6章

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その後、2人は手を繋いだままベンチに座っていた。 「そろそろ帰ろうか 」 そう言うと春斗は立ち上がり、李桜にそっと手をしだす。 李桜はその手をとるとぎゅっと握りしめる。 「春斗がいらないって言うまではずっと味方で居るから 」 「…ありがと 」 「あ、でも待って。俳優の市村春的には彼女いちゃダメだな…どうしよう…」 「え、それ今考える!?こんないい感じなのに!?」 「いや…つい…」 つい…と言いながら全力でヲタクな発言をし始めた李桜を春斗は笑いながら見つめる。 いつの間にかいつも通りのふざけたじゃれ合いのような会話。 それでも2人は、手を繋いだままゆっくりと家までの道を歩いた。 「じゃあ、またね 」 家の前まで歩き、李桜が離した春斗の手はふわりと宙を漂う。 「うん 」 春斗はそっと李桜のおでこにキスをした。 李桜は少し驚きながらもそれを嬉しそうに受け入れてそのまま2人はそれぞれの家へと帰って行った。
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