コールオブワン

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わたしは土人形になっていた。 わたしは鳴いていた。 ことばを忘れてしまったから、かんじょうを表現できない。 この体はあまりにも重い。動くことすらできない。どこにも行けない。 ヘタクソなトランペット吹きみたいに、マヌケな音を何度もくりかえす。 わたしにはそれしかできなかった。 気がつけば、あわれな土人形がひとつ、ふたつ、みっつ。 みんな悲しそうな声で鳴いている。 こわれた楽器を集めたところで、意味がない。 みんな言葉にできない。みんな口を動かせない。 だけど、空に向かって鳴いている。 みんな誰かの忘れものだから。 こんなの哀れじゃないの。惨めじゃないの。 ここから動けないで、ただ鳴くことしかできない。 笑っているんでしょう、私たちのこと。 笑っているんでしょう、必死に求めている私たちのこと。 笑っているんでしょう、動くことすらままならない私たちのこと。 笑っているんでしょう、この星空のどこかでさ。
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