7

6/13

425人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
「競輪選手だったんだね。 良い成績だったみたいだけど、ケガの後は大変だったか。」 「はい。 それでも、諦めていません。」 森川医院長が、不思議そうな顔で私を見る。 「競輪に戻ることを・・・?」 「違います。 この方は・・・“それでも諦めなかった、人生のアスリート”の方です。」 森川医院長が私を見詰めた後、大きく息を吐いた後に天井を見上げた。 その姿をしばらく見ていると・・・ 「医療業界に来て、何をやりたいんだろう?」 そんな嬉しい質問をしてくれる。 「リハビリのお手伝いをしたいそうです。」 私が答えると、森川医院長が私に視線を移した。 「リハビリ助手だったらすぐに採用出来るよ。 うちの病院はそっちに力を入れているからね。」 ホームページには書かれていないことを聞き、少し驚いた。 「内科で一般的な患者さんを受け入れて、産婦人科と小児科・・・。 それと外科の手術。」 森川医院長が、私を真剣な顔で見詰める。 「一般患者さんだけでなく、ケガをしたアスリートの方の手術からリハビリもしているよ。 アスリートの方の場合は、紹介された場合だけだけどね。」 森川医院長から受け取った名刺に視線を移す。 到着する前に調べたら、元大学病院の外科の先生で・・・凄い先生だった。 名刺から森川医院長に視線を移し、言う。 「“それでも、諦めなかった人生のアスリートととして、その後の人生も“KONDO”と共に。”」
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

425人が本棚に入れています
本棚に追加