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「“KONDO”の会社と・・・関わりのある仕事なのか。」 「はい。でも・・・今はこれだけです。 ここまでしか言えないようになっています。 きっと、きっと・・・あと少しで公表されるはずです。」 森川医院長が真剣な顔で私を見て、笑った・・・。 「それでも、諦めない・・・。 “KONDO”のアレには、泣くね。 “KONDO”か・・・そうか・・・。」 持っていた履歴書をまた見ている。 「いいよ、採用する。」 「あの・・・!! これから夜間の専門学校に通うことになります!! 理学療法士になりたいそうで!!」 「うん、いいよ。バックアップする。」 「あと!!アルバイトではなく正社員ご希望で!! ご結婚されていて、小さなお子さんが2人いらっしゃって!!」 「・・・それなら、ちゃんと奥さんと子どもを守れるようにしないとね。 偉いよね、ちゃんと奥さんと子どものことを考えてて。」 森川医院長が少し悲しそうな顔をして笑った。 「採用するよ。」 「ありがとうございます!!!」 思わず立ち上がって、深くお辞儀をした。 森川医院長は笑いながら、パンフレットを手に取った。 「看護士や事務を募集する時、また声を掛けるよ。」 「ありがとうございます~!!」 お礼を言うと、パンフレットを見ている森川医院長の目が停止した・・・。 「代表取締役、四宮さんっていうんだ。」 「はい!・・・ちなみに、私の夫です!!」 笑いながら答えると、森川医院長が真剣な顔のまま私の方を見た。 不思議に思い見詰め返していると・・・ 「四宮一・・・」 と、小さな声で“はじめさん”の名前を呟いた。 「“はじめさん”のこと、知ってるんですか? 弊社の社外取締役です。 仁の・・・夫の兄です。双子の。」 私が答えると、森川医院長が目玉が飛び出そうになるくらい驚き・・・ 「末永く、よろしくお願いします・・・。」 と、何故か末永くお願いをされた。
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