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聴取
取り調べ室──。
違うんですって。俺たちは騙されたんです!
久々って……。俺は……くっ。
仕方ない。佐々木、ごめんな。それじゃあこの事件について俺の知ってることを全て話します。
はい。俺は強盗するのが夢だったんです。でも自分に自信が持てなくて。そんな時にアイツが現れたんです。君の願いを叶えてあげよう、そう言って俺を誘ってくれたんです。彼の名前?そういや聞いてないです。俺は黙って話を聞いてただけなんで。アイツは俺の夢を叶えるために3日待って欲しいと言われました。俺はそれくらいは待ちました。
3日後、アイツは計画を練って俺の元に持ってきました。内容は完璧といえるものでした。ですがここは現実。計画通りに行くなんて思っていた俺が馬鹿でした。
まずアイツは時間から逃走経路、何から何まで考えてきたんです。アイツの方から仲間を出すからと言われそれが佐々木でした。
疑わない俺が悪いんです。アイツが計画を掻き乱すことなんて誰でも思い付きますしね。
あの日、俺と佐々木は2時ごろにあの美術館に侵入した。侵入経路はそっちも分かってるだろうけど窓から入ったよ。計画の中で窓ガラスに細工を施したってアイツが言ってたから。ホントにガラスに小さな穴が開いててそこに紐が通っててさ、それを引っ張ったら窓のロックが外れたんだ。紐は証拠隠滅のために思いっきり引っ張って切りました。
テープ切れ?早く交換してくださいよ。
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