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終幕
それから一週間が経ち、サイトにも進展があった。
ついに特定したというのだ。
これから確かめに行くらしい。
『俺はある人からの情報提供である古ビルにいることが判明した。そのビルにみんなが集まるといけないから住所は書かない。これから行ってみる。一緒に行く人はいるか?3人まで募集する』
『果たしているのか?俺はやだよ?』
『じゃあ私が行く』
『よし。じゃあ後で連絡手段を確保しておく』
『これってやって良いことなのかな?』
『良い。私が言うんだから間違いない』
『ふーん』
柳沢警部は匿名でこのサイトに潜入していた。
──チャンスが来たな。これでダメなら終いにしよう。これはもう警察の仕事じゃない。私情だからバレたら何を言われるか。その覚悟で元からやってるんだ。関係ない。
ピロリン。
先ほどの匿名からだった。匿名のメールアプリで連絡すると言われていた。
『これから俺たち二人で小田原市〇〇町△△-××へ向かう。
君は俺の名前を知らない。俺も君の名前を知らない。こうしよう。俺はダイヤだ。そっちも好きな宝石名にしてくれ。では二時間後に会おう』
『了解しました。では私は──』
ここまで打って手を止めた。
──好きな宝石?なぜ?
『──ヒスイです。ダイヤさん』
と打ったが最後の一文を消してから送信した。
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