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❤️
『はぁ……』
どうやら、私の中のモヤモヤは、仕事のせい
ばかりではないらしい。
そして、あのうるさい主婦集団のせいでも
なかった。
祐介の様子が最近、おかしい。
妙によそよそしい。
慣れない職場で、心身ともに疲れている
せいもあるとは思うけど、なにか違う。
何より気になるのが、異動先の支店に
祐介が、真理子と付き合う前に付き合っていた彼女がいることだ。
とっくの昔に別れているし、
彼女ももう結婚しているだろうから、
杞憂に過ぎないのはわかっているのだが、
もやもやする。
そのせいか、最近、常にイライラしている。
更年期にはまだ早いのではないか。
今までの私なら、周りがいくら騒いでいても
『楽しそうね』と微笑ましく感じ、
気にせず自分の時間を楽しめていたのに。
こんな刺々しい自分が嫌だった。
私は気を取り直し、メニューを開いた。
なにか甘いものでも食べようかな
ここの自家製レアチーズケーキは、
とても美味しい。
珈琲も飲み終わってしまったし、
私はケーキセットを頼んだ。
そして少し元気を取り戻して、
窓の外を行き交う人々を眺めた。
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