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そこからあと2回ほど運んだ後。
木下は昼飯のカレーを頂くために自分のクラスのテントへ来ていた。
「きゃーー!木下先生!!」
「は、きのセンもクラスのやつ食うの?」
「おいてめぇら!!全校1位のカレー作るぞ!!」
「「「「あいあいさー!!」」」」
「……元気いいなあお前ら」
軽く見渡して見てみると、安原と田口が調理班リーダー。森本と吉田が食材班リーダー。篠目と柴田、そしてクラスの癒し、上がり症の多田が盛り付けを担当。岡と黒河が火力担当……といったふうに分かれているらしい。
まだカレーができる気配は無さそうなので、安原の方へ近づく。
「美味く作れよー」
「おっふ唐突なプレッシャー…!きのセン、俺料理はミスター味っ子全部読んだんで自信あります任せてください」
「懐かしいなその漫画、というかこのグループ分けどう決めたんだよ」
それはですね、と具材を鍋にぶち込みながら話し始めた安原曰く。
料理班は普通に立候補で、安原と田口の一本勝ち。
森本と吉田は、包丁の扱い方がプロ並みな事が同室の岡達からの証言で判明し食材班へ。
篠目は狂人説が立てられ調理は念の為控えさせようということで盛り付け担当に就任。
柴田はこの本部の件で篠目と馬が合ったそうで、同職。
そして、クラスの癒しパワー的なやつで元気出そう、という謎理論で多田が参入したそうだ。
「黒河と岡は?」
「アイツら絶望的に料理できなさそうだったんで!」
笑いながら答える田口に安原が続ける。
「アイツら、米も洗えませんからねぇ!包丁の持ち方も殺人鬼だし、野菜の皮も剥かないし!」
普段クールな黒河の想像以上の深刻な料理下手に、木下は声を出して大爆笑した。
岡はそんな感じっぽいなと納得しながら。
笑いがおさまってから、はっと気づく。
「本部は?」
その言葉に答えたのは、多田も入れてすっかり3人で仲良くなった篠目と柴田だった。
「本部は生徒会の方々に連行されました〜」
「双子と会計が連れてった」
一事が万事。全て察してしまうその言葉に、木下は思わずため息をついた。
生徒会との接点はほぼ参加されない授業のみのため多くは無いが、名前と顔や大体の雰囲気も分かっている。が、今から連れ戻しに行くのも面倒臭いし生徒会に押し付けよう、と木下は結論づけて、生徒達に気にしないでいい旨の声をかけた後、多田の方へと足を向けた。
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