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 咄嗟に出た言葉だったけど、じゃぁ何て言えば良かったのかと問われれば答えに窮する。 「ああ、う~ん、今日は何をやるんだろうねぇ。こういう時って社則の説明もそうだけど簡単なビジネスマナーとかも教えてくれたりするんじゃなかったかなぁ。おいおい業務内容なんか具体的なのも教えてくれるだろうけどそれも配属先が決まらない事には、ねぇ。」 「そうなんですね。ビジネスマナーかぁ。多分あんまり関係ないよなぁ。」 「あれ?澤辺くんはどこ配属希望なのかな?」 「ぼ、僕は。」 「『俺』でいいよ。」 可笑しそうに笑う一条はそう言って俺に一枚の紙を手渡した。 「ほら、これ。受付で配ってた。この会社の内部構成がちゃんと載ってるよ。どんな部署があるか分かるかな。澤辺くんも貰っただろう?」 「えっ、う、受付?」 「入口にあっただろう?」 「い、入口?」 記憶がない。 エレベーターで通された大会議室。数人の人間と一緒に降りて、みんなそのままドアをくぐっていたはずだ。 受付なんてあったっけ? 「ああ、それじゃ澤辺くん、まだ出席扱いになってないかもしれないよ。早く受付済ませないと。」 一条はそう言って、ドアの外を指さした。 「はっ、はい。どうもすみません。」 恥ずかしくて顔が赤くなる。最初から大ポカ見せちゃった。 俺が恥ずかしさから急いでドアへ向かおうとするとその後ろから声がかかる。 「ああ、澤辺くん。一つ言っておくけど。ビジネスマナーっていうのはどんな部署でも必要になるものなんだよ。それは技術職でも一緒。だからね、関係ないなんて言わないでしっかり受けないとダメだよ。」
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