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結果・・・俺は一条と同じ部署に配属され。何故か悉く同じ案件を受け持つことになった。
それは、一条が経験者で実績もあり、仕事を円滑に進める能力を持つ即戦力だったのに対して、俺は新卒上がりの基礎部分しか理解していない新人だったからである。
それでも、一緒に仕事をするのは先輩社員だと思っていたから、同時期に入社した一条とチームを組ませられるとは思わなかった。
ああ、一条が中途採用の新入社員だとは研修の全体顔合わせの時に判明した。と言っても、社長直々に紹介するほど優秀な人物だったみたいで、それはそれで恐縮したのは間違いないけれど。
最初は変なプライドから一条に対して良い印象を持てないでいた俺だったけど、一緒に仕事をしていく内にその仕事の正確さとダイナミックでありながら緻密な計算の下に書かれるプログラムの凄さに圧倒された。
本当にこんなプログラムを書く人がいるんだと思った。
何通りものコマンドを積み上げて、重ね合わせて組まれていくそのプログラムは芸術のようでもあった。
かと思えば余計な指示を削いで削いで、本当にシンプルなプログラムのみで作られるシステムの見事さも憧れてやまないものだった。
俺は一条への尊敬を深めていった。質問すれば丁寧に答えてくれるその姿勢も素晴らしいものだったし、何より一条は俺に優しかった。
そして兄弟の多かった俺は構われる事で心を許し始めーーー
・・・気付くと一条にキスをされていた。
2人きりの残業で、デスク周り以外の照明が落とされた薄暗闇の中、背後から画面を見ていた一条が俺の首をクイッと持ち上げ、俺は上を向いた状態のまま一条のキスを受け入れた。
「・・・へ?」
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