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――大罪人・元聖女シンシアを辺境領の石牢へ幽閉する――
その知らせは、瞬く間に国中に行き渡った。
聖女シンシア。建国以来、最も強い癒しの力を持つ人間。
彼女は勇者パーティーの一員として魔王討伐の任務についていた。しかし旅の途中で、癒しの力というのは偽りで、実際には何の力もない人間だと判明したのである。
シンシアはパーティーから追放され、偽証罪で幽閉されることになった。
幽閉先は、辺境領。
その地を治めるシュナイダー卿は石魔法の強力な使い手で、彼の瞳を見た者は石化してしまうと言われている。
そんなシュナイダー卿が館の奥にある森に作り上げたのが、決して脱獄できない、魔力に満ちた石牢だ。
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