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義賊を気取った俺たち窃盗団はトーストの上のバターのようにスムースクリミナルなアンダーカバーな手際で事を成していたが、ボスは何故かネットワーク上で目立つようなド派手なリスキービジネスを好んだ。
俺のチームはマネーロンダリングされる前の大金を隠し持った後ろめたい連中(麻薬カルテル気取りや臓器売買ブローカーなんかの糞野郎)から盗む一攫千金の現場を選んで遂行していたが、ボスは成金YouTuberや、ベンチャー企業のお金配りインフルエンサー社長や、派手にセレブリティ誇張する芸能人などに予告状を送りつけ厳重な警備の中を掻い潜って自慢の逸品をピンポイントで頂戴する華麗な離れ業を披露して、世間から『平成の怪人二十面相』の異名を与えられていた。
「どうせこの盗難事件まで動画やツイートや滑らない話にして、そのアクセス数や視聴率が奴等に金を産むんだよ。お互いWin-Winだから。私が世間を目眩ししている裏で諸君が本業を卒なく熟せば素晴らしい明日が待っているって訳さ」
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