151人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
episode.1
.
am6:30
あまりの頭痛で目が覚めた
「…さいっあく」
もともと、頭痛持ちの私は、定期的に酷くなるときがある。たぶんそれが、今日きたんだろう。
重いからだをおこし、頭を抱える。
…もう少し時間もあるし薬飲んで横になっておこう
と思った矢先、私の携帯がなった。
…もう、だれ
こんな早くに電話してくるなんて、
ちらっと携帯を見れば 友哉
…ほら、やっぱり常識ない人だった
なんて思いながら通話ボタンを押せば
朝には似合わないハイテンションな声が聞こえた。
「おっ、出た!起きてたか!」
「…さっき起きたの。」
「なに、テンション低くね?」
「…何時だと思ってるの。」
「ん?あ、まだ6時半か!わりーわりー!いや、今日の夜覚えてるよな?19時に駅前の居酒屋になったから!」
「……電話してきたの、それ言うため?」
「おう、結奈楽しみにしてたろ!」
「…まぁ、そうだけど、別に大学で会うじゃん」
それもそーか!ははは、
なんて、たいして面白くもないのに通話口からケラケラと笑い声が聞こえる。
その声の大きさに、さらに頭痛が悪化しそうだ。
こめかみ部分を手で押さえて、ふーっと息を吐くと、また別の声が聞こえた。
"お前、誰と電話してんだよ"
"結奈だよ!今日のこと伝えとこうと思ってな!"
"別に大学で会うだろ"
"ふはっ、こいつら同じこと言ってる"
…この声は、晴人だ。
晴人も一緒なの?と聞けば、どうやら昨日お泊まりだったらしい。
…22歳にもなって、どんだけ仲良いの
「んだよ、拗ねんなって。前は3人仲良くお泊まりしてたもんな?お前もお泊まりしたかったんだろ?」
なんて、ほんとうにどうでもいい話をしてきたから
返事もせずに電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!