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「マリエのせいよ。今日は大好きな先輩と出掛ける約束があったの。マリエが木から落ちてくるから、私の1日。滅茶苦茶になっちゃったじゃない」
「ごめんにゃ。でも私は人生がかかってるにゃ。お約束なら、あとで謝れば許してくれるにゃよ」
ふざけんな。
謝ればいいだと! 連絡もなしですっぽかす女。なんだこいつって思われるに決まってるじゃない。
「簡単に言わないでよ。今日は一大決心をして先輩に告白しようって決めてたの、それなのに」
「そんなに責めないでにゃ。私だって逃げたくて逃げてきたわけじゃないにゃ」
「なによ。自分は仕方がない。悪くないみたいな言い方して」
「だってそうにゃ。好きでもない男となんて結婚したくないにゃ」
「じゃあ。断ればいいでしょう」
「私は王女にゃ。そんな簡単なことはできないにゃ。一般人とは違うにゃ。なんでそんなに怒るにゃ。謝ればきっと許してくれるにゃよ」
私は湯沸し器のように顔を真っ赤にし腹をたてた。
「お国騒動に私を巻き込まないで、返してよ私の時間。先輩に嫌われたらマリエのせいなんだから」
「なによ、同じ女なんだからわかってくれてもいいにゃでしょう。心の馬鹿」
「マリエなんて大嫌い」
私は言い捨てて走り出した。
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