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「大事な話?」
「うん……。またな」
ああ、と答えると、恭司は今度こそ帰っていった。
何だろう、大事な話って……。何だか深刻そうな感じだったな……。
「……あっ、ごめん、城矢!」
いかん、いかん。今は城矢とデート中だし、恭司のことは後でまた考えよう。
「ううん。俺の方こそ、会話中に割り込んだ感じになってごめんね。さっきの彼が、ナナちゃんと中学の時からずっと仲の良いっていう友達だよね? 会えて良かった」
「明るい奴だから、多分城矢とも気が合うと思うよ。あ、メニューどうする?」
「そうだな。トマトバジルのにしようかな。ナナちゃんは?」
「俺は、アボカド載ってるやつ」
「アボカドも美味そー。あ、すみませーん」
城矢は近くにいた店員を呼び、二人分のメニューを注文してくれた。
店員が去った後、俺の腹がグゥーと盛大に鳴った。うわ、恥ずかしい。
「俺が遅れたせいで、昼時少しずれちゃったもんね。俺も腹減った」
特に笑ったりからかったりすることなく、城矢はそのように答える。
「あ、でもさ、お腹空いてた方がより美味しく感じるよな。だから、遅れてきたのは別に全然良いと思う」
「はは。そう言ってもらえるとありがたいな〜」
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