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店を出た後は、そのまま俺の自宅アパートに二人でやって来た。
麦茶を出し、部屋で寛いでもらうものの……城矢は未だに、ふとした瞬間にさっきのような表情をしたり、どことなく元気がない。
「城矢……」
「ん?」
俺と目が合っている時だけ笑ってくれても、それはかえって寂しいよ。
「……何かあるなら、言って?」
「え?」
「も、もし、俺に不満があるとかなら、頑張って治すから!」
「え⁉︎ 俺、ナナちゃんに不満なんかないよ⁉︎」
「だって、さっきから時々変な表情してるから、俺に対して何かあるのかなって……」
恐る恐るそう告げると、城矢は「ち、違うよ!」と慌てたように答えた。
「本当に、不満なんてないよ。ただ、俺が勝手に嫉妬しちゃっただけ……」
「嫉妬?」
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