にくきゅうぷにぷに

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「……ぷはっ」 俺達は、顔を見合わせて笑った。 「まったく、恭司が俺に告白するつもりだなんてどんな勘違いしてんだよ、城矢は。あはは」 「本気でそう思ったんだって! でも誤解なら良かったー。ははは」 「はあ、冷麺食べたばかりなのに、笑ったらお腹空いてきた。何か食べれるものあったかな」 その場に立ち上がろうとすると、城矢は何故か突然、俺の手をガシッと掴んだ。 「城矢?」 軽く浮かせた腰を再びおろすと、城矢は何も答えず、急に真剣な顔付きになり、その眼差しをこちらに向ける。 そして……城矢の指先が、俺の頬をそっと撫でた。 「……っ」 思わずピク、と反応する俺の身体。 指先で触れられているだけなのに、やけに恥ずかしい……。 城矢の顔が、そのままゆっくりと近付いてくる。 間近で見る城矢の顔は、嫉妬する気も起きなくらい端正で、肌もきめ細かい。 「し、城矢。どうした?」 ドキドキしながらもそう問い掛けると、城矢はこう答えた。 「……ナナちゃん。この前の続き、しない?」
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