お手!

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そのまま俺は、リビングらしき部屋へと連れていかれた。 広いリビング……。インテリアは高級そうな洋風で揃えられていて、掃除は隅々まで行き届いている。 そのリビングには、凛さん以外の城矢のお姉さんと思われる女性が二人いて、その側には保育園児くらいの小さな男の子と女の子もそれぞれ三人ずついた。 様子を見ていたら、三人のお姉さん達はみんな、それぞれの子供達の母親なのだと分かった。 子供達が「ママ、ママ」と頻りに言っていて、とても賑やかだ。 俺も子供は好きなのだが、今はポメガの秘密がバレないかヒヤヒヤで、とにかく緊張しっぱなしだ。 そして、子供達の他に、可愛い犬も一匹いた。 城矢に、写真は見せてもらったことがある。城矢家の飼い犬のリクちゃん。 ミニチュアダックスフンドのメス。目がクリックリで可愛い。 俺は凛さんに抱っこされたまま、ソファに座らされる。 向かい側に座った城矢と、お互いに〝ど、どうする?〟とさっきからアイコンタクトを送り合っているものの、この状況を打開する良いタイミングは、今のところ見付からない……。
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