お手!

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すると城矢は突然立ち上がり、「あ、えっと! ナナちゃんから連絡あった! だからナッちゃんと一緒にコンビニに迎えに行ってくる!」と、スマホを見ながら言い出した。 どうやら、強引にでも俺と一緒に家の外に出るつもりらしい。この場合、俺もそれが良いと思う。 しかし……。 「ナッちゃんはこのまま見てるから、玲だけで迎えに行ってあげなよ」 俺を抱っこしたまま、凛さんが城矢にそう言った。 城矢は慌てて言い返す。 「い、いや、ついでにナッちゃんの散歩したいし!」 「そこのコンビニまでの道はあんまり散歩コース向きじゃないわよ」 「で、でも……!」 すると、子供と遊んでいたもう一人のお姉さんが立ち上がる。 「私もコンビニで買い物したいから、玲と一緒に行ってこよっと! ほら怜、急いで!」 「えっ⁉︎ あっ、姉ちゃん⁉︎」 そう言って、そのお姉さんは城矢の背中をグイグイと押しながら城矢を連れてリビングから出ていく。 城矢……!俺を一人にしないで……‼︎
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