お手!

25/31
前へ
/192ページ
次へ
だけど城矢は、辛い時もいつも笑顔で前を向いてたんだな……。 母に言われた通り、いつだって誰のことをも避けてきた俺とは大違いだ……。 すると、あくまで明るく笑っている城矢を見て、お母さんはどこか心配そうな表情でこう続けた。 「今でも、無理してないかってたまに不安になるのよ? ほら、前にネットでも変な噂を書かれてたし……」 「(だーい)丈夫だってー」 ……変な噂というのは、以前ネット上で流れていた、城矢が女をとっかえひっかえしているといった内容のものだろう。 あの噂……俺も鵜呑みにしてたんだよな……。 何だか急に、自分が恥ずかしくなった。 こんな俺なんかが城矢の恋人なんて、本当に良いのかなって何だか申し訳なくなってくる。 でも…… 絶対にもう間違えないから、城矢の隣で、俺も城矢のことを支えていくんだ。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1179人が本棚に入れています
本棚に追加