お手!

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「ぁ、ありがとうございます……っ」 絞り出した声はやっぱり震えて、少し泣いてしまった。でも、泣いたことを誰にもからかわれることはなかった。 ポメガの俺は、きっと誰から見ても恥ずかしい存在なんだとずっと思っていた。だけど……そんな俺のことを城矢のご家族に認めてもらえた気がして、凄く嬉しかった。 もしかしたらこれからも、自分がポメガであることを全く気にしない日は来ないかもしれない。それでも、少しずつでもいいから成長していきたい。だって、初めて好きになった人が、初めて俺を好きになってくれた人が、その家族が、俺にこんなに優しい笑顔を向けてくれているのだからーー。
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