お手!

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「ちぇ。じゃあ、ラブホはまた今度ね」 「……っ」 どこまで本気なのかいまいち分からず、俺は城矢を軽く睨みつけた。城矢は全く気にせず、にこにことしていたけれど。 そうこうしているうちに信号は青に変わり、車が再びゆっくりと進み出す。 ……俺は城矢の方は見ず、少しだけ俯きながら、ポソッと言葉を発した。 「……今日、泊まってく?」 そう言うと、城矢は目を輝かせながらこっちに振り向く。 「うん! 泊まってく!」 「バカッ、前を向け!」 そのまま車は、自宅アパートへと真っ直ぐ走っていく。 その夜は、城矢は宣言通りうちに泊まっていってーー幸せな夜を過ごした。
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