待て!

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毎朝職場で顔を合わせ、一緒に仕事をしてーー夜はどちらかの自宅アパートで一緒に過ごす。 毎日ではないが、最近はそんな日々を送っていた。 とても、楽しい。 「ナナちゃん、帰ろー」 今日もいつも通り、仕事が終わると城矢が笑顔でそう言って、俺の帰り支度を待ってくれる。 数ヶ月前までは俺達が一緒に帰ることなんて全くなかったけれど、今のところ周囲からは『最近本当に仲良くなったよね』と言われるくらいで、付き合っていることを疑われたりはしていなさそうだ。 男同士だから、疑われにくいのかもしれないけれどーーいつか職場の人達には、この関係をきちんと打ち明けられたらいいなとは常日頃から思っている。
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